流体力学のすすめ。

高校数学の目指すところ、行き着く先はニュートン力学。

古典力学の巨人ニュートンの業績を見ると、物理という目的のために数学という道具を整備しようとしたと思われる。極限の考え方などは、机上の議論では捉えにくいが、物理現象が裏打ちしてくれたからこそ確信的なアイデアとなったのではないだろうか。高校の数学で学習する微分積分や、ベクトルの単元はまさにニュートン力学の道具として生まれ整備されていった分野である。受験のために勉強する高校の数学は、ニュートン力学を理解するための基礎であるが、現状の大学では統計力学、量子力学などの、さらなる発展を遂げた物理を学習する。そのため、いつまでも古典力学に捕らわれていられないという焦りにも似た感情がわいてくる。しかし、この分野を整備していった先人たちは、実に深く考えて最善手を選択していったわけで、すっきりしない部分は先人の気持ちを理解していないことに相違ない。西洋の合理主義の発想からすれば、現在の思考形式には一分の隙もないのである。古典力学を解析的に発展させたのが、解析力学であり、非常に数学的な物理である。その後、数学のさらなる発展から、物理は数学に引っ張られて発展していったように思われる。流体力学は数学的な方向性を持っているにもかかわらず、その複雑さから、ほとんどのテーマが人間の手でまともに解けないという事態を引き起こした。近年、コンピュータの発達により、直接的に数値計算を介在させて基礎方程式を解く手法により、先人たちの苦労が報われる時代が訪れ、さらなる進歩を急速に遂げている。

まずは解析学から学ぼう。

高校で学ぶ微積分は、あらゆる意味で基本中の基本である。では、その先に考えるべき事はいったい何があるだろうか。1つは変数の数を増やす必要性である。世の中一変数を独立変数とするような単純な現象は希である。多変数関数の微分積分とはどのようにして行われるべきものかを知るべきであろう。また、変数そのものが実数でなくなればどうすればいいのであろうか。たとえば、ベクトル量の微分積分である。あるいは、複素数の世界での微分積分とはいったいどのようなものであろうか?そういった問題を先人たちはちゃんと解決してくれている。まずは、そのことから知っていこう。

基礎数学編

第一章 解析学

     

テンプレートのpondt

inserted by FC2 system